ミュートス代表インタビューの内容をご紹介
先日、弊社代表はPRマーケティングの第一人者である
有限会社ウィンビット代表の弘中勝氏に、仕事に関する取り組み等について、あるメディアでのインタビューを受けました。
弘中氏の許可を得て、ここにその内容をご紹介致します。
有限会社ウィンビット 弘中 勝 さんのご紹介
http://www.winbit.biz/
※本インタビューは、弊社移転前の豊中に店舗を構えていた時(2009年11月)に、取材を受けました。
各業界で活躍されている会社・お店にお伺いして、その考え方や話題をお聞きするインタビューコーナー「各界第一線」。
他業種の第一線の方々は日常どんなことを考えているのか、これまでにどんなことがあったか、などの話から、自社ならばどうするか、自社で何か活用できることはないかを考えてみましょう。
今回は、大阪府豊中市にある輸入車販売店ミュートスプレステージさんを訪問しました。スーパーカーは一流のステータスの証。細やかなメンテナンスや的確なアドバイスに定評のある同店は、一流のステージの方々から大きく深い信頼を集めており、著名人をはじめ全国から高級車ファンが集まってくるお店です。そのミュートスプレステージの代表を務める、この道ひとすじ25年という佐川雅彦氏に、自身のお仕事の考え方やプロフェッショナル論、また業界のお話など様々なことをお聴きしました。
今月の第一線
ミュートスプレステージ
佐川雅彦 氏
学生時代から輸入車の販売やメンテナンスを手がけ、自動車業界に長く携わり、2008 年8 月より輸入車販売店ミュートスプレステージ代表。「モーターライフクリエイター」として活躍。
このお仕事を始められた原点というのは何でしょうか。
幼少の頃に買ってもらったディズニーの『青い自動車』という絵本です。愛情の無いオーナーや泥棒にぞんざいに乗り回されてスクラップ置き場に送られた青い自動車スージーが、自動車好きのトムという青年に修理されて再生され、新車の頃よりも幸せに走り出すというストーリーなんですが、今自分の仕事を振り返ると「自分はトムになりたかったんだな」と思います。
そんな小さな頃から、自動車に対して大きな興味があったんですね。
それからアニメ『マッハGO!GO!GO!』が放映されて夢中になり、『サーキットの狼』という漫画でスーパーカーブームが起こって熱狂したりしました。その頃からパワーが有って速いクルマが大好きで、免許を取ってからは安いクルマをチューニングしたりしていましたが、二十歳までには一生自慢できるクルマに乗りたいと思って、大学に行きながら常に3つの仕事を抱えるほど一生懸命働いて、19 歳の時にシボレーカマロを買いました。とにかくクルマ好きというのが高じて、知人の車の修理などを請け負ってあげたりしているうちに、気がついたら自動車屋になっていた、という感じです。
学生の頃から、もう既に自動車のお仕事をされていたわけですね。
「あのクルマ好きの佐川にまかせておけば車もきっと幸せだろう」と、みんな車を預けてくれていましたね。 それで23歳の時に勢いだけで独立しました。当時はまだ一般的ではなく高かった携帯電話を買って「いつでもつかまる便利なクルマ屋」として、車に関する様々な仕事を頼まれていました。バブルの頃に第2次スーパーカーブームが来て、高級車が投機対象として買われていたんですが、それを「乗れないから預かっといて」と委ねられたりしたんです。「佐川さんが良い車だと言うんだから、それを買う」と言って、一度も車の実物を見ずにお金を振り込まれる方も多いのですが、それは今でも変わりませんね。
もはや、単に「車というモノを売っている」だけの商売じゃないですね。
たとえば高級なスーパーカー等は、一般的感覚で言えば「生活の役には立たないもの」です。でも、クルマ好きの人にとっては「自己実現」だったり「無限のパワーを与えてくれるもの」なんですよ。普段使う実用車とは違って、仮に地球上からガソリンが無くなっても捨てずに置いておく、芸術品のようなものと言うか。だから、ウチで扱っている“商品”は車だけど、売っているのは「夢」なんですね。このクルマを買ったらどんな楽しいことが起こるんだろう、というような夢やロマンをお届けしているんです。
確かに、自家用車や社用車を買う感覚とは全く違いますよね。
サラリーマンでもローンを組んでこういうクルマに乗ることが許されるのは、日本だけなんですよ。 欧米でフェラーリやランボルギーニなどを持って乗っている人は、城みたいなところに住んでいるような本物のお金持ちが多い。街中では誘拐されたりするからあまり乗らなくて、裕福で安全なエリアだけでしか乗りません。まぁ高級外車を持つということ自体が、そういう一流の人たちに相応しいステータスにも触れるということです。 ボクの仕事は、言わばその「夢の実現」へのお手伝いです。
ミュートスプレステージの店舗外観。豊中市の阪急宝塚線沿線にあり、電車で通勤をしている時に車を眺めていて土日に店に訪れるという会社員の方も多くいらっしゃるとか。また全国各地の外車ファンが遠くから集まってくるそうで、この日も北陸からお客様が見えられていました。
高級外車は、単に「車に乗る」こと以外にもいろいろな楽しみ方がありそうですね。
最近は「ガレージング」という概念が流行しているのをご存知ですか?仕事が忙しくてあまり乗る時間がなくても、クルマを眺めたり一緒に過ごしたりする空間を家の中に作って、趣味のクルマを持つことを楽しむ生活スタイルのことです。ハウスメーカー等も凄く力を入れていて、『ガレージライフ』などのガレージング専門誌も増えていますよ。これは最近の流行ですが、自分はもっと昔からやっていたようなことだし、元々の発想は、子供のときに「おもちゃ屋の中で寝られたらどれだけ幸せだろう」と思っていたことからでしょうか。
そういう、車を楽しむ生活を提案したりアドバイスしたりもされるんですね。
昔から「あなた自身のカーライフを創造します」という意味で「モーターライフクリエイター」という肩書を使っています。新車はどれに乗ってもだいたい同じですが、中古車はそれまでの扱われ方や環境などで、1000 台あったら1000 台全てが違います。またお客様が1000 人いたら1000 人全てがクルマに対する考え方や金銭感覚も違うので、何度もヒヤリングをしていって、こういう車はどうだろうか、こういう乗り方はどうかという提案をするんです。
闇雲に売るわけではなく、お客様の性格やライフスタイルも把握されるわけですね。
修理依頼の車や下取った車を見れば、乗っていた人の性格も分かります。「こういう乗り方ではダメですよ」「こんなお金の使い方ではもったいないですよ」ということまで、プロフェッショナルとして助言しています。「クルマを楽しむことを伝える達人」でいたいんです。
車販売の業界には、佐川さんのような人以外にも様々なタイプの人がいそうですね。
よくお客様に言っているのは、自分は「クルマの好きな車屋さん」なんだ、ということです。世の中には「お金の好きな車屋さん」がとても多い。事故車や長距離を走った車を安く仕入れて、メーターを巻き戻していい加減に修理して高い値段で売れば、こんな儲かる商売はないんです。逆に、良い車を良いお客様から良い値段で買い取って安く売れば、こんなに儲からない商売はない。
私はクルマが好きでやっている部分が多く、クルマが悲鳴を上げているのが分かるとついつい直したくなるんですよ。そうやって過剰にいろいろな所を直していくと結局どんどん採算が合わなくなるんです。それでも、そのクルマとお客様にとって一番良い状態にしてあげたくなるんですよね。
ミュートスプレステージ店内。フェラーリはテスタロッサ、348、モンディアルから、珍しいシボレーC-3100 まで名車がズラリ。「クルマ好きだから、クルマに囲まれたこの仕事が楽しくてしょうがない」と佐川代表。話を聞いているうちに、だんだん乗りたくなってきました。
そういうお仕事の積み重ねが、お客様の篤い信頼になってるんですね。
今の店を始める前は、海外のイベントなどにもどんどん参加して、雑誌の連載やら記事の依頼もたくさん有りました。2000 年頃、子供の頃に『サーキットの狼』を読んでいたという世代のスーパーカーファンを中心とした会を作り、箱根などに何百台も集めたこともあります。でもお客様のためにやっているのに、同業者のやっかみや誹謗中傷がだんだんひどくなり、それが嫌になってきて積極的にメディアに出るのはやめてしまいました。
この仕事の魅力はたくさんあると思いますが、その中でも一つを挙げるとすれば。
こういうクルマは単に持つだけでなく、とことん突き詰めていくことで、世界中の一流の層の人たちとどんどん知り合いになることができました。例えば、ボクはランボルギーニがすごく好きなのですが、メーカーをはじめ、設計やデザインをした方に「なぜこんな形にしたのか」とか色々尋ねたくて、一生懸命イタリア語を勉強して、イタリアに行って実際にお会いして一生懸命に話すと、向こうも一生懸命に答えてくれました。また、ボクと似たような連中は世界中に居て、現在でも沢山の良いお付き合いを頂いています。他にも、この仕事をするうえで影響を受けた多くの著名な方々とも知り合いました。何かひとつをテーマに徹底して掘り下げていくと、そういう強烈な出会いが沢山ありますね。
佐川代表が「本音を言うと、売りたくないぐらい」というほどの最もお薦めの車が、この最終型ランボルギーニ・ディアブロ。スイングアップ式のドアがカッコいい。私も運転席に乗せてもらったのですが、その重厚な雰囲気にものすごく舞い上がってしまいました。
これから佐川さんのような車が大好きなスタッフを、社内で育てていく予定は。
中古車販売の業界は徒弟制度なので、弟子を作りたいとは思っているところですが、最近は「大人になったら外車に乗りたい」というような若者も少なくなっているし、強い志を持った若い弟子候補はなかなか見つからないですね。かつてはこういう仕事がしたいという応募もたくさん来たんですが、華やかに見えても現実は大変な世界なので、諦める人も多かったです。
現在、阪急宝塚線の沿線に店舗がありますが。
最初は豊中市のある人通りの多い街道沿いを予定していたのですが、やはり賃料が高くて、その分をクルマの販売価格に上乗せするのも自分の主義に反するので、少し離れた現在のここになりました。阪急の路線沿いでもあり、電車内から店の奥まで見えるので、「通勤中にいつも車が入れ替わっているのを楽しみにしている」と言って土日に来られる会社員の方もいらっしゃいます。隣にハンバーガー屋さんがあるんですが、愛車でやってきては、当店に置いた自分の車を眺めながらハンバーガーを食べるお客様も多い。将来的にはそういう、自分が乗ってきた愛車や展示中のクルマなどを眺めながらコーヒーが飲めるようなカフェができればいいなと思っています。
私は車のことは全く分からないんですが、私がもし乗るとしたら何がいいでしょう。
普段使いの必要が無くて、弘中さんのイメージならば、スーパーセブンなんてどうですか。運転を楽しむ為だけの乗り物ですが、シンプルな構造なのに奥が深いクルマです。ご興味を持たれたら、いつでも相談に乗りますよ!
大阪府豊中市の輸入自動車販売店ミュートスプレステージの佐川代表にお話をお聴きしました。ご自身が子供の頃から車が大好きで、車を持つ楽しさを極めている佐川代表の提案やアドバイスに、多くのスポーツカーファンが深い信頼を寄せ、全国からお客様が集まってきているようです。話を聞いていると、とっても車が欲しくなってきました。スーパーカーに興味がある方は、ぜひ一度ご相談してみてはいかがでしょう。
インタビュー:弘中 勝